6,7ヵ月ぶりにあるお宅を訪ねてみると、呼吸困難で今にも倒れてしまいそうな男性が出てきてくださいました。
フッフッ、ハーハー、ゼーゼー、ハーハー…。
どどど、どないしよ…?!
本日はその続きを書いていきます。
前回の話はこれです↓
フッフッ、ハーハー、ゼーゼー、ハーハー…。 ドアから出てきた男性は、立っていることもままならないほど、呼吸が困難そうでした。 最初のコンタクトから6,7ヶ月たってやっと出会えたと思ったら、いきなりヘビーな状況。 本日から何[…]
めちゃくちゃ焦る
歩く修業を始めて2年目のまだまだ未熟な私ですが、1年以上戸別訪問に歩き続けていると、初対面の方でも精神的に余裕を持ちながら接することができるようになりました。
こっちが焦ったりしていたら、相手の不信感が加速して、おたすけなんてできないぜ、余裕もっていこうぜ、なんて調子ぶっこき始めていました。
しかし、今回出て来て下さったのは、今にも倒れてしまいそうな呼吸困難の70才くらいの男性。
坂口「だ、だ、だ、大丈夫ですか?!?!」
焦る。めちゃくちゃ焦る。調子ぶっこき始めていた心をすぐに直してもらうくらい焦る。
命が危ないんじゃない…?!
こんな状態で入院しないの…?!
コロナウイルスに感染してらっしゃる…?!
私に移ったら、おたすけ先に感染が広がってヤバいんじゃない…?!
色んな考えが頭の中をかけめぐります。
自分が感染したくないからといって、放っておいては彼の命が危なそう。
しかし、感染を広げてはまずいので2mほど離れて、お話を伺っていきました。
誠真実を尽す心づもりを決める
男性「…ゼーゼー…なんだよう…何しに来たんだよう…ハー…ハー…。」
坂口「わ、私、天理教の修業で人だすけに歩いている坂口と申します…!人間関係やお体のことで困ったことがありましたらお力添えをできればと思い、インターホンを押しました…!み、見たところ、お体が大変そうですが、だ、大丈夫ですか…!?」
男性「ゴホッ…大丈夫なもんかよ…。ハー…肺を…ハー…やっちゃってるみたいでよ…。」
坂口「会話するのも大変そうで質問するのも申し訳ないのですが、病院には行かれましたか?!」
男性「いったよ…。ゼーゼー…酸素飽和度が85らしくて、すぐ入院する必要があるって言われたんだけど、面倒くさくて帰ってきたんだよ…。」
男性、「面倒くさい」を理由に入院をやめて帰ってきたそう。
ちなみにある場所では「酸素飽和度が93を下回ったら入院」という基準があるそうで、酸素飽和度85は結構危ない数値になってきます。酸素飽和度が93でも「ものすごく苦しい」そうで、85は相当ヤバい…。
どうか、入院しておくれ…命が危ないのだから…。
実はこういう場合、表に説明してくれた理由が「面倒くさい」であっても、裏には根深い問題を抱えており、そのせいで入院しない選択をされている可能性が大きいのです。ここまで深刻になっても入院しないのですから。
こりゃ何か根深い問題を抱えてらっしゃるな。
と思い、この時、自分にできる精いっぱいの誠真実を尽していく心づもりができたのでした。
男性「フーフー…来てくれて…ハー…ありがたいんだけどさ…フー…コロナウイルスに感染してるかもしれなくて移してしまったら悪いから…ハーハー…帰ってくれないかな…?」
坂口「寝込むくらい大変な病を抱えてらっしゃるというのに、起きて玄関までご足労いただくことになり、申し訳なかったです。心臓が動く息ができる、命があるということは、当たり前ではありませんよね。神様の御守護ありきのことです。私は修業の身のものでございますので、神様の御守護が滞りなく流れて、ご主人の病が治っていきますように、神様の子供可愛いいっぱいの親心がいっそうあたわっていきますように、お祈り『おさづけ』を致します!」
とその場に正座して、半ば無理やりお祈り「おさづけ」をお取次ぎしました。
おさづけは本当は患部をさすると教えにあるのですが、コロナウイルスに感染する危険があるので2m離れたまま。
あぁ、教えてくれた通りにお取次ぎできなくて申し訳ありません、親神様・教祖…!
でも緊急事態なんです、どうかお働きください親神様・教祖…!!
あしきはらい たすけたまへ てんりわうのみこと
なむたすけたまへ てんりわうのみこと
こうして半ば無理やりの形となってしまった場合、ドアを閉められてしまうことがほとんどなのですが、彼はドアを開けたまま私がおさづけを取り次ぎ終わるまで待っていてくれました。
男性「…ハー…ハー…もういいかい…?」
坂口「きっと訳も分からなかっただろうに、受けて下さりありがとうございます。受ける心に神様の御守護があたわり、運命が切り替わっていきます。」
坂口「今は動くのも辛いでしょうし、食べるのもままならないと思います。スポーツドリンクとゼリーがあると、水分と栄養補給がしやすいそうです。買ってドアノブにかけておきます!!」
そうして、その場を去りました。
スポーツドリンクとゼリーを買うお金が…
コロナウイルスに感染して寝込んでいた時スポーツドリンクとゼリーがあってめっちゃ助かったと聞いたことがあり、とっさに買ってくると言ったはよいものの…。
「人だすけに歩いて与えて頂くものだけで生きる修業」をしている坂口、お金があるのか分からないことに後から気がついちゃいまして…。
財布を見る。歩き続けて、色んな人に笑われそしられながらも懸命におさづけを取り次いだり誠真実を尽して、与えて頂いてきた1500円がありました。
あるやんけ…!
う~使ってしまって家賃とか大丈夫かな…
いいや、大丈夫や…!
人だすけのためだから、またあたわってくるはずや…!神様は放っておかないはずや…!
1500円で買えるだけのスポーツドリンクとゼリーを買って、袋に入れて男性のドアノブにかけておきました。
右からやってきた1500円を、スポーツドリンクとゼリーに変えて、左に受け流すスタイル。
右からやってきたものを左へ受け流すムーディー勝山スタイル(古い)
尽くしたけれども…
そして、男性の命が心配だったので、定期的に彼のもとを訪ねて様子をみることにしました。
前回の訪問から5日ほどたってから次にいってみると、出て来て会話してくれました。
男性「ゼーゼー…この前は、スポーツドリンクとゼリーを…ハー…どうもありがとう。いやー…フーフー…本当にたすかりました…。検査結果が出たんだけど…ハーハー…コロナウイルスに感染してはなかったみたい…。…別の理由の肺炎だとさ…。」
あぁひとまず良かった。コロナウイルスに感染していたわけではないそうで。
そして感染の危険がないと分かってから、私が行くたびに肺に向かって胸に手を当てながらおさづけをさせてもらえました。
しかし、たすかりに向かって関係を深めていくのは難しいものなのです…。
体や心の調子によって、うとましく感じられてしまい、関係を切られてしまうことがよくあります。
ある日、行ってみるとドアを開けてもらえませんでした。
男性「…ハーハー…もういいよ…。来なくていいよ…ゼーゼー…。」
あぁ、関係を切られてしまった…。
誠真実を尽していたけれども、それもむなしく…。
坂口「お体が大変な中、玄関までご足労していただき、またおたすけの機会を今まで下さり、ありがとうございました。また困ったらその時は、ぜひお電話でもくださいね。たすかりに向かって、何でもさせて頂きますので。体が動かないでしょうし、代わりにお買い物でもなんでも…!私の連絡先が載ったチラシ、置いときますので!では、またいつか!」
と言ってその場を去りました。
あ~ダメかったか…。
いや、自分の魂には良い種まきになっていたはずだ…。
人のたすかりを願い、10年20年と種まきを続けていくから、神様に働いて頂ける道具衆になっていけるのさ…。
無駄じゃない、無駄じゃないのさ…。
などと、なんとか心が下向きにならないように、しかし彼のたすかりに共に向かえなかった悔しさを感じながら帰路についたのでした。
1週間後の電話
一生懸命に人だすけに歩いているうちに、悔しさのことを忘れていきました。
縁を切られてから1週間もたった頃、見知らぬ電話番号から着信がありました。
誰だろう?
と思いながら電話に出てみると、なんだかよく聞きとれません。
呼吸が困難そうで、息も絶え絶えで電話だとうまく聴き取れなくなってしまうようです。
ん?ん?ん?と思いながらも、なんとか聞いていると70才くらいの男の人であることが分かりました。
これあれだ、スポーツドリンクとゼリーを届けた男性からだ!!
どうしたんだろう?!
男性「ゼーゼー…あのさぁ……ハーハー……たすけてほしいんだ………。」
どどど、どうした?!
長くなってきたので、本日はこのへんで。
また続きをぼちぼち書いていきますね。
続き↓
今にも倒れてしまいそうなほどに呼吸困難な70才くらいの男性と出会い、懸命に魂のたすかりに向かって誠真実を尽していましたが、縁を切られてしまいました。 他の方へのおたすけに励んでいたころ、突然電話がかかってきました。 男性「ゼーゼ[…]